オフィシャルブログ|西村造園

有限会社西村造園
オフィシャルブログ

第18回造園雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社西村造園、更新担当の中西です。

 

1|到着前に7割決める:事前準備チェックリスト
• 図面:配置・立面・給排水経路。無ければ手計測前提の白紙図を準備。
• 航空写真/地形:方位・影・高低差・電柱/支線・導線を把握。
• 仮コンセプト:①機能重視 ②演出重視 ③バランス案をA/B/Cで持参。
• 質問票:家族構成・アレルギー・ペット・好き嫌い・作業許容時間・防犯意識。
• 持ち物:レーザー距離計・30mスチール・スタッフ・レベル・pH試薬・土スコップ・記録用アプリ📱。

 

2|敷地での観察ポイント(体系化)
• 光:季節別日影。西日・反射光・夜の街灯位置。
• 風:卓越風向・ビル風・吹き溜まり。匂いの流れも確認🌬️。
• 土:踏圧で硬さ、泥団子で粘土比、pH簡易測定。ミミズの有無は生物性の指標。
• 水:水たまり位置、雨水桝の勾配、暗渠の必要性。
• 既存樹:根上がり・空洞・朽木菌。保存/撤去/移植の判断。
• 周辺:通学路・交通量・視線・騒音。境界標と越境枝🧭。
• 安全:崖条例・高低差・転落・手すり・機械進入。工事ヤードの確保。

 

3|“測る”の型(早い・正確・伝わる)
• 三角測量+定点写真:後から図面化できる情報だけを拾う。
• 高さ:基礎天・道路天・庭天の相対高を押さえ、排水計画の土台に。
• スケッチ:通り芯・寸法・方位を最少記号で。写真は方位シールを入れて連番📷。

 

4|ヒアリングの核心質問(家族単位)
• 普段の外の使い方(物干し/子ども/ペット/BBQ/自転車)。
• 好き/嫌いの景色(写真10枚を持参して選んでもらう)。
• 管理許容度(草取り/週・虫OK度/10段階)。
• 防犯/プライバシー優先度。
• 将来像(1年/5年/10年)。 答えは議事録に落とし、合意形成の土台に🗒️。

 

5|近隣配慮と法規の初動
工事車両の進入・作業時間・粉塵・仮設トイレ・残土搬出。景観条例や生垣指定・高さ制限は最初に役所確認。後戻りコストを消す⚖️。

 

6|“見える化”資料の作り方
• 平面図(縮尺・通り芯・勾配矢印)
• スケッチ(視線コントロール・植栽ボリューム)
• 植栽表(樹高・株立/単幹・本数・株間)
• マテリアルボード(石・木・金物)
• ラフパース(光と影が伝わると決断が速い) 資料は目的別の束にまとめ、打合せ時間を半分に⏱️。

 

7|ミニケース:30分の現地調査でどこまで決まる?
前提:20坪・西道路・2台駐車・玄関南。草取りを減らしプールもしたい。 観察:西日強烈、北側が湿りやすい、室外機×2、近隣2Fからの視線。 仮案:①目隠し70%の縦格子+落葉1本で夏の遮蔽 ②透水×砂利で防犯と排水 ③デッキ2.4×3.6+シェード ④自動潅水。 次アクション:測量→基本設計→見積の段取り化。

 

8|NG集(回避策付き)
• 「全部お任せで」→価値観の誤差で揉める:写真選択ワークで言語化。
• 「客土厚盛で解決」→層境界で水が止まる:既存土と混和+排水設計。
• 「図面なしで着工」→仕上り差異:縮尺付き平面図+樹木表を必須化。
まとめ:現地調査は仮説更新の場。観察→測定→言語化を1サイクルで回せば、設計は半分終わっています。次回は庭の骨格「植栽計画の科学」へ🌳。

 

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第17回造園雑学講座

皆さんこんにちは!
有限会社西村造園、更新担当の中西です。

 

1|暮らし(QOL)を上げる“日課の装置”
朝、東面のデッキに差す斜光で体内時計が整い、夕方は西日の熱を落葉樹で受け止め、夜は低い照明で足元をやさしく導く——この一連の流れは気分転換→休息→睡眠の質に直結します🌤️。庭の価値は“非日常のレジャー”ではなく、毎日数分でも外に出る理由を与えること。例えば、玄関脇1㎡に常緑低木+多年草の「玄関花壇」を仕込み、郵便受けまでの3歩に香りと色を置く。これだけで外出時の一息が生まれ、帰宅時のただいまの視覚トリガーになります。
さらに、家事動線の短縮は思っている以上に効く。立水栓の位置をホースの巻取り半径で最適化し、物干しからデッキへの段差を15mm以内に納める。ゴミ一時置きは臭気と視線から外し、“通るたび気が重くならない”配置に。庭はメンタルの摩擦を減らす設計です🧘。

 

2|資産(不動産)価値を底上げする“顔つき”
整った外構・植栽は内装より街並みに効く広告。将来売却しない前提でも、保険料・修繕費・空室リスクの抑制に寄与します。雑草だらけの裸地は雨の跳ね返りで外壁を傷め、排水不良は基礎周りの劣化を早めます。逆に、雨庭(レインガーデン)や透水性舗装で外周の水を制御すると、建物寿命への良影響がデータとして積み重なる。資産価値は「写真映え」×「維持容易性」で決まると覚えてください📸💹。

 

3|環境(生態系)と街の健康に効く“小さな循環”
ヒートアイランドが進む都市では、打ち水効果と蒸散が気温・体感温度を下げます。落葉樹の夏の遮熱/冬の採光は自然の空調。地面を全面コンクリートで固める代わりに、地被植物+透水で半分だけ固めると、雨水の逃げ道と生き物の回廊が残ります。蝶や蜂が立ち寄る庭は、近隣の子どもに季節の学びを提供し、地域の生態リテラシーも上げる📗🦋。

 

4|造園の仕事フロー(8ステップ)
1) 問合せ:用途・予算・時期の仮設定。写真・図面の取り寄せ。
2) 現地調査:方位・風・排水・既存樹・インフラを計測(第2回で詳細)。
3) 企画・コンセプト:3方向(機能/演出/バランス)でラフ案。
4) 基本設計:平面図・立面・植栽表・マテリアルボード。
5) 見積:数量拾い→歩掛→原価→OH→利益(第27回)。
6) 契約・近隣案内:工程・車両・騒音の周知。既存物の保護養生。
7) 施工:土木→配管→電気→構造→舗装→植栽→照明。
8) 引渡し/アフター:管理計画と保証、点検スケジュール(第30回)。 この一連を写真・図・仕様で一貫管理するのがプロの造園業です📋。

 

5|“お任せ”は危険。価値観の言語化を
好き/嫌いの景色・素材・色を写真で共有し、管理許容度(草取り/月・虫OK度)を数字化。優先順位は3つに絞る(例:①駐車2台②プライバシー③草取り半減)。「何となく良い」では10年後に破綻します🎯。

 

6|10年スパンで“成熟する庭”を設計する
竣工直後の“映え”より、3年活着+7年成熟を見据えます。植栽は混植で多様性を持たせ、根域・株間・剪定方針を最初に定義。照明は交換容易なローボルト、水景はフィルター清掃動線を確保。維持のしやすさ=美しさの持続です。

 

7|小さく始める具体策
• 玄関脇1㎡に常緑+多年草で“ただいま花壇”🌼
• 室外機の前に通風を妨げない目隠し+下草で熱・音の緩衝帯
• 立水栓の移設または二口化でホースの導線短縮
• 土の団粒化:腐葉土・バーク堆肥で“ふかふか”に

 

8|ケーススタディ(30坪・子育て世帯)
要件:駐車2台、芝は最小、プール・BBQ、視線カット、草取り1時間/週以内。 解:アプローチは透水×砂利敷で防犯+排水。主木は落葉1本(西日遮蔽)+常緑2本(目隠し)。人工芝+デッキに可動シェード、目隠し透過率70%。自動潅水と掃き出し点で運用を軽く。概算:220〜320万円。

 

まとめ:庭は“飾り”ではなく“暮らしの機能”。造園業は設計・施工・維持で10年伴走し、家族と街の時間を整える仕事です。次回は、成功の7割を決める「現地調査とヒアリング」へ🔎。

 

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第16回造園雑学講座

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~“緑で価値を上げる”~

 

オフィス、商業施設、マンション、学校、公園。緑は“コスト”ではなく“投資”です。快適性・集客・就労生産性・地域合意・ESG/SDGs——造園はこれらを一体で底上げします。ここでは企業・公共向けに、企画→設計→施工→維持管理を“数値”と“仕組み”で回す方法を解説します。

1|KPIから始めるグリーンデザイン 📊

  • 快適性:暑熱指数(WBGT)・日陰率・風通し

  • 運用:清掃頻度・潅水量・剪定工数・維持費

  • 価値:滞在時間・歩行導線・売上寄与・満足度★
    → 設計前に現況を計測し、改善目標を数字で設定。

2|ヒートアイランド&雨対策:LIDの実装 💧

  • 雨庭(レインガーデン)/透水舗装/バイオスウェイルで雨水を貯めて浸透

  • 日陰設計:落葉高木で夏は日陰、冬は採光。蒸散冷却で体感温度を下げる。🌬️

  • 屋上・壁面緑化軽量土壌+自動潅水でメンテ負荷を可視化。

3|“景観×生態”を両立する植栽戦略 🐦🦋

  • 在来種中心+花期リレー:四季に花粉・実の“出番”をつくる。

  • **低木・下草の“塊植え”**でメンテ効率UP&生物多様性を確保。

  • 芝≠正解:半日陰はグラウンドカバー(ディコンドラ・リピア等)で維持費を圧縮。

4|安全・法令・近隣配慮 🛡️

  • 高所剪定・伐採:ロープ高所/高所作業車の資格・合図・立入規制を標準化。

  • 薬剤はIPM:機械的・生物的・化学的手段を段階適用。掲示とドリフト対策は厳守。

  • 騒音・粉じん:時間帯・散水・電動機器の活用でクレームゼロ運用。🔇

5|DXで“迷わない・漏れない・待たせない” 📲

  • クラウド台帳:樹種・樹高・施工履歴・薬剤・灌水量をQRで管理。

  • 点群・ドローン:樹冠投影・陰影解析で剪定前後の効果を可視化。

  • 自動潅水×土壌水分センサ:給水の省人化&適量化

6|年間管理契約の設計(例)📅

  • 月次:除草・清掃・軽剪定・枯葉回収

  • 季節
     春=施肥・新芽保護🌸/夏=灌水・害虫点検🌻
     秋=更新剪定・落葉管理🍂/冬=寒肥・防寒⛄

  • 四半期レポート:作業記録・写真・改善提案・次期予算の根拠をワンセットで。

7|サイン・照明・動線の“ラスト10%”で差をつける 🔦➡️

  • 足元照明+アップライトで“安全と映え”を両立。

  • 動線は“回遊”:緑の島を点ではなく連鎖させ、歩きたくなる外構へ。

  • サイン:樹名・開花期・由来を小さく上品に——学びが滞在を延ばす。📖

8|ミニケース:商業施設の外構リニューアル 🛍️

  • Before:広い芝+灌水負担大。夏は照り返しで回遊性低下。

  • Afterレインガーデン+落葉高木+下草塊植え+透水舗装+ベンチ&照明
    真夏のWBGT▲2.1目安/ベンチ稼働率↑/夜の写真投稿↑で来店滞在時間が増加。📈

9|見積の透明化とコスト最適化 💴

  • 初期費・維持費・更新費を分解提示。

  • “手間の見える化”(剪定規模・潅水回数・清掃量)で納得の合意形成。

  • 設計段階で維持を減らす:植物選定・自動化・動線整理が最強のコスト対策。

まとめ&ご提案 ✨

企業・公共の緑は、KPI設計×LID×DX×安全運用で“投資価値”に変わります。
現況計測→改善案→試算→施工→管理レポートまで一気通貫でご支援。
まずは**現地診断(無料)**から、最適なグリーンプランをご提案します。📩🌳

 

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第15回造園雑学講座

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~”庭リノベ術~

「今の庭、なんだか使っていない…」「管理が大変」——そんなお悩み、**設計と植物の“相性合わせ”で一気に解決できます。ここでは小さめの庭(約3〜10坪)**を想定し、設計→施工→年間管理までをプロ目線でわかりやすく解説します。✨

1|最初の7つの質問(設計ブリーフ)

  1. だれが、いつ使う?(朝コーヒー/夜の一杯/子ども・ペット)

  2. 日射は?(午前・午後・通年)

  3. 風・視線は?(隣家窓・道路からの目線)

  4. 収納は?(ガーデンツール/自転車)

  5. 水は?(散水栓・雨水タンク)

  6. 音は?(道路・学校・店舗)

  7. 予算と管理時間は?(毎週10分 or 月1回)⌛

ここで**“使い方>見た目”**を決めるのが失敗しないコツ。

2|3坪でも映える“黄金レイアウト”3選

  • L字リビング庭:デッキ+L字の植栽帯。奥に向けて樹高を上げ奥行きを演出。

  • センターフォーカス:中央にシンボルツリー、周りは踏める下草で囲う。動線は周回に。

  • スリットグリーン:細長敷地に縦ストライプの植栽帯+砂利通路で“広く見せ”。

3|“土”を整えれば8割勝ち

  • 客土と腐植で透水性&保水性を両立。

  • マルチング(ウッドチップ・バーク)で雑草抑制&乾燥防止。

  • 鉢植えは二重鉢+軽石層で根腐れ回避。

4|プロの“半日で雰囲気激変”メニュー ⏱️

  1. 既存剪定・抜根 → 2) 土壌改良 → 3) 低木・下草の塊植え → 4) 砂利縁+エッジ材 → 5) スポットライトで夜の立体感
    ※“足元暗く、樹冠明るく”が基本。眩しくない配光を選ぶ。

5|失敗しない“植物レシピ”(関東平野の一例)

  • 日向:シマトネリコ/アオダモ/ヤマボウシ+ラベンダー/タイム/アガパンサス

  • 半日陰:ソヨゴ/ヒメシャラ+ヒューケラ/ギボウシ/クリスマスローズ

  • 日陰:アオキ/ナンテン+フッキソウ/ヤブコウジ/ベニシダ
    常緑:落葉=6:4で四季をつくると通年で美しい。

6|“水やり・剪定・病害虫”ミニマムルール ️✂️

  • 水やり:新植1か月は朝1回。真夏は+夕方。深く・たっぷり

  • 剪定:常緑は春終〜初夏/秋、花木は花後が基本。

  • 病害虫:まず風通し。薬は被害部位を狙い撃ち。IPM(総合的防除)の発想で“やり過ぎない”。

7|“庭と暮らす”年間管理カレンダー

  • :追肥・新芽保護・花後剪定

  • :灌水強化・マルチ増し・害虫見回り

  • :更新剪定・落葉掃除・球根植え

  • :寒肥・防寒・照明角度見直し

事例ミニノート

北向き3坪の細長庭。スリット植栽+白砂利+常緑多めで明るさ確保。夜はスポット2灯で**“奥行き2倍見え”を実現。家族の在庭時間が週0→週3**に増加。

まとめ&ご提案 ✨

小さな庭ほど設計と土づくりが決め手。“使い方”→“レイアウト”→“植物レシピ”の順で考えれば、維持もラクに。
現地調査・プラン提案から施工・年間管理
まで、まるっとお任せください。

 

 

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第14回造園雑学講座

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~経済的役割~

造園業は一見すると「庭をつくる職人の仕事」というイメージがありますが、その経済的役割は単に個人の趣味的需要を満たすだけではありません。都市の環境整備、観光地の景観保全、防災インフラの一環、さらには地域の雇用創出といった広範な経済活動に貢献する産業です。

現代社会において、緑化や景観の整備は「生活の彩り」を超えて、環境・健康・資産価値・地域振興に影響する重要な経済要素となっており、造園業はその中心を担っています。本記事では、造園業がもたらす経済的役割を多角的に解説します。


1. 地域建設産業としての裾野の広さと雇用創出

造園業は、建設業の一分野として広く捉えられ、地域密着型の中小企業が多くを占める産業です。公共工事や民間の庭園工事、公園管理、街路樹の整備などを通じて、以下のような経済活動を生み出しています。

  • 職人・技能者の雇用(剪定、植栽、設計、施工、維持管理)

  • 関連産業への発注(苗木、石材、舗装資材、農機具など)

  • 季節労働や高齢者就業など、多様な人材の受け入れ

特に地方においては、造園業は「ローカルに根差した仕事」として若年層や高齢者の雇用の受け皿となり、地域経済の基盤を支えています。


2. 公共投資・都市整備との連動による経済波及効果

公園、緑道、道路植栽、学校の校庭、河川敷緑地などの整備・改修は、造園業の主な活躍フィールドの一つです。これらは国や自治体のインフラ整備予算の中に組み込まれ、公共投資によって地域経済を循環させる効果があります。

  • 国土交通省や地方自治体が発注する緑地管理・景観整備工事

  • 学校や福祉施設の「癒しの空間」としての庭園設計

  • 公共空間のバリアフリー化・防災緑地化工事など

これらは直接的な雇用・消費を生むだけでなく、街の資産価値を向上させ、企業誘致・観光振興にもつながる都市経済施策の一部となっています。


3. 不動産・観光資産としての「緑の価値」を創出

都市計画や不動産開発の分野では、「どのような緑があるか」が街全体の魅力や物件価値に大きな影響を与えます。造園業が整備・維持する緑地空間は、資産価値の向上と観光経済の形成に寄与しています。

▪ 経済効果の例

  • 緑豊かな街並み → 住宅地や商業施設の資産価値アップ

  • 庭園や景観の整備 → 観光誘致(城址公園、寺社庭園、花の名所など)

  • ホテルや結婚式場などのエントランスガーデン → 体験型サービス価値の向上

このように、造園業は景観=経済価値としての再構築を担う重要な職能といえます。


4. 環境・防災・健康分野での経済的インパクト

現代の造園業は「美しさ」だけではなく、「機能性」も重視されています。環境対策や防災、健康寿命延伸といった社会的課題に対し、緑地を通じて経済的効果をもたらすケースが増えています。

  • 屋上緑化・壁面緑化によるヒートアイランド対策(省エネ化)

  • 雨水を貯留・浸透させる緑地による都市型水害の軽減

  • 植物と触れ合うことでメンタルヘルスや認知症予防への効果

  • 地元植物の植栽による生物多様性の保全と環境教育

これらの取り組みは、医療費削減や災害リスク低減といった“間接的経済効果”を持ち、行政・民間企業が注目する投資対象となりつつあります。


5. 後継者育成・技能継承による地域産業の持続化

造園業は、高度な手作業や美意識が求められる職人仕事でもあります。現在、担い手不足が深刻化していますが、それと同時に、技能を通じた新たな教育・産業育成の場としての価値も注目されています。

  • 地元高校や専門学校との連携による技能教育

  • 若手造園家によるデザイン提案やコンペの活性化

  • 女性や外国人技能実習生の受け入れと多様化

これにより、造園業は単に経済を支えるだけでなく、人材育成と地域文化の継承という“非貨幣的価値の創出”を伴った経済活動とも言えるのです。


緑をつくる仕事が、経済の“根”を育てている

造園業は、「緑」という目に見える美しさを提供するだけでなく、雇用・地域再生・資産形成・環境改善・教育といった多様な側面で、経済の土台を静かに支える存在です。

その経済的役割は今後さらに重要性を増し、脱炭素社会、健康都市、持続可能なまちづくりといった未来の課題に向けて、造園業の活躍の場はますます広がっていくことでしょう。

“一本の木を植えることが、まちの未来を育てる”――そんな経済的意義を持った産業が、造園なのです。

 

 

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第13回造園雑学講座

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~多様化~

造園業は、庭園や公園の設計・施工・維持管理を担う伝統的な業種として長年親しまれてきました。しかし、近年の社会構造やライフスタイルの変化、都市環境問題への意識の高まりなどを背景に、造園業の役割やサービスは急速に多様化しています。

緑を扱う技術者としての造園業は、今や単なる「庭づくり」ではなく、都市計画、福祉、防災、教育、さらにはメンタルケアまで多岐にわたる分野と接点を持ち始めています。本記事では、そんな造園業の多様化について、以下の観点から深く掘り下げていきます。


1. 業務領域の拡大:庭園から都市・社会インフラへ

かつての造園業は、個人邸の和風庭園、公園、寺社仏閣など、ある種限定的な場所が中心でしたが、近年では**都市インフラや公共政策の中における“緑の専門家”**としての役割が広がっています。

▪ 多様化する業務内容

  • 屋上緑化・壁面緑化・ビルのインナーテラス設計

  • 保育園・介護施設・学校での福祉空間としての庭づくり

  • 地方自治体との協働による緑の防災空間整備(例:避難路沿いの植栽)

  • 河川敷や自然公園のエコロジカル修復・景観設計

こうした動きは、環境政策・景観保護・都市開発との融合という新しい造園業のあり方を象徴しています。


2. 顧客層・ニーズの多様化:個人・企業・公共から福祉・観光へ

造園業の顧客もまた、かつての「富裕層の邸宅」「自治体の公園事業」だけではなく、より多様な目的・属性を持つ層に広がっています。

  • 住宅街でのメンテナンス不要な小さな庭(ローメンテナンス庭園)

  • 企業のエントランス緑化・リフレッシュ空間の整備

  • 医療施設・高齢者住宅での**“見る”ための植栽設計**

  • 観光地の景観整備や、歴史的庭園の再生による観光資源化

  • 空き地・空き家の緑地化やコミュニティガーデンの整備

これにより、造園業は“富裕層の贅沢”から、“暮らしに溶け込む癒しと機能のデザイン”へと進化しており、身近なサービス業としての再定義が進んでいます。


3. 技術・設計の多様化:自然とテクノロジーの融合

造園の世界にも、ICT・環境工学・エコロジー設計といった分野の技術融合が進んでいます。

▪ 代表的な技術的進化

  • ドローンや3D測量による敷地解析と設計の高度化

  • CAD・BIMソフトを使った立体的な造園設計・施工図作成

  • IoTセンサーによる自動潅水・植栽の状態管理

  • 自然再生型のビオトープ設計(動植物の共生空間)

  • 環境配慮素材(透水性舗装・再生木材・ローカル植物)の活用

このように、自然を扱いながらも高度な理論と技術に基づく設計・施工が求められる時代へと移り変わっているのです。


4. 働き方・経営スタイルの多様化

造園業界においても、後継者不足や職人離れが進む中で、新たな働き方や経営スタイルの模索が始まっています。

  • 女性職人の登用や育成

  • クラウド型受注システムやSNS発信による集客

  • 小規模経営の強みを活かした“庭のパーソナルトレーナー”的展開

  • 企業との連携による空間ブランディングサービス

  • 農業・林業・福祉との複業型造園ビジネス

これにより、造園業は単なる“肉体労働”のイメージを脱し、クリエイティブかつ柔軟な働き方が可能な職能分野へと進化しています。


5. 社会的役割の多様化:緑が生み出す公共的価値

造園業は、経済的利益を生むだけでなく、人間の精神的健康、地域の安全、子どもたちの教育、自然環境の保全など、多くの社会的機能を担っています。

  • 緑によるヒートアイランド対策やCO₂吸収

  • 子どもたちが土と触れ合える体験学習の場の提供

  • メンタルケアや認知症予防のためのガーデン療法(園芸療法)

  • 災害時の避難経路を兼ねた緑のライン形成

このように、造園は人と人、人と自然、都市と自然の“関係性をデザインする仕事”として、社会的にも再注目されているのです。


造園業の多様化は、「緑の力」を社会に編み込む進化の証

造園業における多様化は、単なるサービスや事業分野の拡張ではありません。自然という普遍的な価値を、現代の課題に応じて形を変えながら社会に届けるための創造的進化です。

“庭をつくる”という行為は、今や“空間を癒しと循環の場に変える”という、新しい意味を帯びています。これからの造園業は、美しさと実用性、伝統とテクノロジー、個人と公共を橋渡しする、新時代のグリーンエンジニアリング業種として、さらなる広がりを見せていくことでしょう。

 

 

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第12回造園雑学講座

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~病気の予防~

 

樹木の病気は、森林資源の価値を大きく損ない、林業経営に深刻なダメージを与える要因です。特に気候変動や外来病害虫の影響により、今や病気は「まれな事故」ではなく「予防すべき恒常的リスク」になっています。林業における病気の予防法を多角的に解説し、現場で実行可能な対策をご紹介します。


1. なぜ予防が重要なのか?|林業における病害対策の本質

  • 病気が発症してからでは治療にコストと時間がかかる

  • 周囲の樹木へ感染が広がるリスクが高い

  • 生産木・景観木・生態系保全木の健全性維持のためにも重要

→ 林業における病害防除は「事後対応ではなく事前予防が基本


2. 予防の基本原則:3つの視点から見る病気対策

◾ 環境管理:病原体の繁殖を防ぐ

  • 間伐・枝打ちで風通しを良くする

  • 過密植林の解消

  • 林床の水はけ改善

→ 湿気や密集が原因となる病気(例:スギ赤枯病、葉枯れ病)には特に有効


◾ 衛生管理:感染源の除去

  • 病気の兆候がある木の早期伐倒・焼却

  • 伐採後の切り株に殺菌剤を塗布

  • 伐採機械の消毒による病原体の拡散防止

→ 松くい虫病・ナラ枯れなどの二次感染を防ぐために不可欠


◾ 品種・構成管理:抵抗力のある森づくり

  • 耐病性品種(クローン苗や改良品種)を選定

  • 樹種の多様化で一斉感染を防ぐ

→ モノカルチャー(単一種の植林)は病害発生のリスクを高める


3. 病気別の具体的な予防策とポイント

病名 主な予防策 補足
松くい虫病 樹幹注入(薬剤)、マツノマダラカミキリのトラップ設置 周辺の健康木も予防注入対象にする
ナラ枯れ バイオトラップ、罹患木の除去 春〜初夏の繁殖期前の伐採が効果的
スギ赤枯病 通風改善、密植回避、枝打ち 高湿度環境での拡大を防ぐ

4. 新技術の導入:テクノロジーで病気予防を支援

  • ドローンによる空撮診断

  • AI画像解析で病葉・変色葉の早期発見

  • GPS付きフェロモントラップで発生マッピング

→ 省力化と早期対応を両立するスマート林業への展開が進行中


5. 制度・補助金の活用で予防対策を加速する

  • 林野庁の森林病害虫防除事業補助金

  • 各自治体による樹幹注入費用補助

  • 国立研究開発法人の診断・評価支援

→ 予防策には費用がかかるが、補助制度を活用すれば経済的負担が軽減


6. 持続可能な森林経営のために:地域全体での連携が鍵

病気予防は単独の林分(森林区画)だけでは限界があるため、

  • 地域の森林組合との連携

  • 隣接地所有者との協議

  • 市町村単位での面的防除の計画立案

が今後ますます重要です。


病気予防は、「木を守る」ことではなく「森全体を健康に保つ」ための総合的アプローチです。森林の価値と生態系のバランスを守るためにも、予防的な管理こそが次世代造園業の基盤となります。

 

 

 

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第11回造園雑学講座

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~樹の病気~

 

 

健全な森林経営には「樹木の健康管理」が欠かせません。特に気候変動や外来病害の影響で、近年では樹木の病気が多発し深刻な打撃を与えるケースも増えています。本記事では、代表的な樹木病害とそのメカニズム、現場での対処法について深く解説します。


1. なぜ樹は病気になるのか?|発病の3要因(病気の三角形)

病気は以下3つの要素が揃った時に発生すると言われます。

  • 感受性宿主(病気にかかりやすい樹種)

  • 病原体(菌類・細菌・ウイルス)

  • 適した環境(湿度・温度・密度など)

林業においては、密植状態や排水不良、外来種の侵入が「病害発生のトリガー」になりやすい傾向にあります。


2. 代表的な樹木の病気とその特徴

◾ 松くい虫病(マツ材線虫病)

  • 原因:線虫とその媒介昆虫(マツノマダラカミキリ)

  • 症状:葉の褐変、枯死

  • 被害例:日本全国のアカマツ・クロマツ林で大被害

  • 対策:伐倒駆除・薬剤樹幹注入


◾ ナラ枯れ(カシノナガキクイムシ被害)

  • 原因:ナラ菌+カシノナガキクイムシの複合被害

  • 症状:急激な枯死、樹皮下の虫孔多数

  • 影響樹種:コナラ、ミズナラ、カシ類

  • 対策:バイオトラップ設置、予防的伐採


◾ スギ赤枯病(スギ黒点病)

  • 原因:糸状菌(カビの一種)

  • 症状:葉が赤く変色し枯れる

  • 発症条件:高湿度・過密林

  • 対策:間伐による風通し改善、耐病性品種の利用


◾ シイタケ原木における白色腐朽菌(トラブル例)

  • 被害例:原木が腐敗し商品価値を失う

  • 対策:伐採時期の管理、菌種の競合回避


3. 気候変動と病害の拡大リスク

  • 暖冬により病原体の越冬率が上昇

  • 長雨による土壌菌の活性化

  • 台風・風害後に傷口から侵入する二次感染

自然災害+病気のダブルリスクが林業経営を不安定にしています。


4. 現場での防除・予防策の基本方針

対応策 内容 実施例
衛生管理 病木の早期発見・伐採・焼却 松くい虫対策
環境改善 間伐・枝打ちで風通し確保 赤枯病予防
化学防除 樹幹注入、フェロモントラップ ナラ枯れ対策
抵抗性利用 耐病性苗木の植栽 スギ耐病系統の導入
監視体制 ドローンやAIによる林分診断 検知技術の導入実証中

5. 行政と連携した対策と補助制度の活用

  • 林野庁による森林病害虫防除事業

  • 都道府県単位での薬剤注入補助

  • 防除費用の一部助成制度

→ 地域単位での面的対策(森林全体の健全化)が鍵を握ります。


樹木の病気は林業における「見えにくいリスク」でありながら、経済的損失や森林の機能低下を招く重大な課題です。単なる駆除ではなく、環境管理・多様性・予防重視の森づくりが、長期的な林業経営の安定に繋がります。

 

 

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造園業の未来:テクノロジーと共生する、緑の未来地図とは?


前回は、造園業が抱える環境問題と、それに対する現場の取り組みについてお話しました。今回は一歩進めて、**これからの“未来の造園業”**について見ていきます。

環境保全・都市再生・地域福祉など、造園業が果たすべき役割はこれからさらに多様化します。そして、それを支える技術革新や新しい働き方が、業界を大きく変えようとしています。


◆ スマート造園の時代へ

 

● ドローンによる上空調査と緑地管理

  • 公園や広大な緑地の上空からの点検をドローンで自動化

  • 樹木の生育状況や病害虫の兆候を空撮で早期発見

  • GIS(地理情報システム)と連携した植栽管理が可能に

● センサーとIoTで“見えない異変”も管理

  • 土壌の水分量・日照・温度・pHなどをセンサーで24時間モニタリング

  • 最適な水やりタイミングや剪定時期を自動で提案

  • 雑草の繁茂や病虫害の兆候を早期に通知するAIシステムも登場

● 電動・自動作業機械の普及

  • ロボット芝刈り機や自動灌水システムにより、管理の省力化と精密化が実現

  • エンジン騒音や排ガスを抑え、環境・健康にもやさしい現場へ


◆ サステナブルな造園デザインが求められる時代

 

● 脱プラスチック、自然素材の活用

  • 防草シートや支柱など、従来プラスチック素材だった資材を、自然由来・生分解性のものに転換

  • “捨てない”庭づくりが基本方針に

● 雨水を使う庭(レインガーデン)

  • 雨水を貯留し、地下に浸透させる設計

  • 水害対策と環境教育の両立が可能

● グリーンインフラとしての再定義

  • 緑地や屋上緑化が、都市における**インフラ(公共機能)**として評価されるように

  • 街の温度を下げ、水害を減らし、住民の健康を支える“緑の公共財”に


◆ 人材育成と新しい働き方

 

● 若手・女性・外国人の参入を促す仕組み

  • 植物好きやデザイン志向の若者をターゲットにしたPR

  • 女性でも扱いやすい電動工具の普及、時短勤務などで働きやすい環境を整備

  • 外国人実習生への技術継承とコミュニケーション支援の強化

● デジタルと感性の融合

  • AR/VRを使った完成イメージ提案が可能に

  • “見せる造園”の時代へ。インスタ映えする庭、SNSと連動した空間デザインも注目


◆ 造園がつくる、これからのまちのカタチ

 

  • 災害に強い“緑の避難空間”

  • 地域の拠点としての“パブリックガーデン”

  • 介護・医療と連携した“園芸療法空間”

こうした場所づくりに、造園業はこれからますます欠かせない存在となります。


◆ まとめ:造園業の未来は、「守る」から「育てる」へ

 

  • テクノロジーを使って自然と人の調和を支える

  • 環境負荷を減らし、地域と共に成長する

  • 造園の仕事が“暮らしの質”と“まちの未来”を育てていく

造園業は、ただ「植物を植える」仕事ではありません。
未来の街や社会の“心地よさ”そのものを設計する、最前線のグリーンワーカーなのです。

次回もお楽しみに!

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造園業と環境問題:自然と共に働く仕事のリアルとは?

 


今回は、街の緑を守る“縁の下の力持ち”である造園業が、どのように環境と向き合っているのかについて深掘りしていきます。

造園といえば「庭づくり」「公園の整備」といった印象が強いかもしれませんが、その本質は**“自然と人の共存”をデザインする仕事**。


しかし一方で、意外にも環境負荷と背中合わせの側面もあり、今、大きな転換期を迎えています。


◆ そもそも造園業とは?

 

造園業は、庭園や公園、緑地、街路樹、屋上緑化など、緑に関する空間を計画・施工・維持管理する業種です。個人宅の庭づくりから、都市計画における緑の整備まで幅広く対応します。

  • 設計(デザイン)

  • 施工(土木・植栽・石組みなど)

  • 維持管理(剪定、施肥、病害虫対策、清掃など)

こうした業務を通じて、美観だけでなく、都市のヒートアイランド対策や大気浄化、景観保全など、環境面での効果を担っているのが、造園業なのです。


◆ 環境に優しいはずの造園業が抱える矛盾

 

自然を相手にする造園業ですが、現場では次のような環境課題とも向き合っています。

● 化学肥料・農薬の使用

  • 植物の生育を促すために使われる化学肥料や、害虫駆除のための農薬は、土壌や水質の汚染リスクを伴います。

  • 安易な使用が周囲の生態系に悪影響を及ぼすケースも。

● エンジン式機器による排ガス・騒音

  • チェーンソー、刈払機、ブロワーなど、ガソリンエンジン機器はCO₂やPM2.5を排出します。

  • 騒音による近隣への影響も大きく、クレームの原因になることも。

● 廃棄物の処理問題

  • 剪定枝・草・根など、現場で出る緑廃(みどりはい=緑の廃棄物)は、膨大な量になります。

  • 適切な分別とリサイクルがされないと、焼却処分となり温室効果ガスを排出してしまいます。


◆ 環境配慮型の造園が求められる理由

 

これからの造園業には、自然と向き合う立場だからこそ**“環境を守る責任”**が求められています。

● 都市の緑が果たす環境機能

  • ヒートアイランド対策:緑地が熱を吸収・放出し、都市の気温上昇を和らげます。

  • 雨水浸透・洪水対策:土や植物が雨水を地中に戻し、水害を軽減します。

  • CO₂吸収・空気浄化:植物は空気中のCO₂を吸収し、酸素を排出します。

このような“環境インフラ”としての役割を最大限に引き出すためには、施工・管理のあり方そのものを見直す必要があるのです。


◆ 環境にやさしい造園への取り組み

 

造園業界では、次のような環境配慮型の取り組みが広がりつつあります。

  • 有機肥料・天然資材の使用:化学肥料を減らし、動植物由来の資材を活用

  • 電動工具・充電式機器への転換:騒音や排ガスを抑える最新機器の導入

  • 剪定枝の堆肥化・バイオマス利用:緑廃を「ごみ」にせず「資源」に

  • 生物多様性に配慮した植栽計画:在来種を使い、昆虫や鳥類の生息環境を守る


◆ 地域との共生が鍵

 

  • 公園の手入れを通じて、地域住民と顔の見える関係を築く

  • 子ども向けの「庭づくり体験」や「緑のワークショップ」などを開催

  • 高齢者の健康維持に役立つ“ガーデンセラピー”への応用も期待されています


自然と共に働く造園業だからこそ、環境へのインパクトを最小限に抑える努力は欠かせません。


次回は、造園業がどう進化し、どんな未来を描いていくのか、テクノロジーや社会変化の視点からご紹介していきます!

次回もお楽しみに!

 

 

 

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