皆さんこんにちは!
有限会社西村造園、更新担当の中西です。
高所は技術よりルール。落下・切創・挟まれ・感電・逸走——重大災害の多くは段取りで防げます。ここではツリーケアの基本(SRT/MRS)・リギング・降下・救助計画を、住宅地での実務に絞って整理します。
1|作業前のリスクアセスメント(JHA)
• 対象樹診断:空洞・腐朽菌・キノコ・根返り・傾斜・過荷重枝。アンカー可否を見極める。
• 周辺危険:電線/光回線、ガラス、車両、通行人。ドロップゾーンとバッファをテープで明示。
• 天候:風速10m/sを中止目安。雷注意報/豪雨は撤退。濡れた樹皮は滑りが増す️⛈️。
2|装備の基本と点検
• 墜落制止用器具:ハーネス(樹上用)、ヘルメット(あご紐)、フリクションデバイス、ランヤード二本。
• ロープ:登攀用(SRT/MRS)、リギング用(降ろし)。用途を混用しない。
• 刃物/機械:トップハンドルチェンソー、ハンドソー。始動は地上、樹上はキルスイッチ確認。
• 通信:無線/ハンドサイン。合図→復唱→実行の型を徹底。
3|登攀(SRT/MRS)
• SRT(単一ロープ):上昇効率◎、小枝の多い樹ではアンカーの健全性を厳格に。
• MRS(ムービングロープ):荷重分散◎、広い樹冠に向く。リダイレクトで動線確保。
• アンカー:幹/太枝に設定。樹皮保護を入れ、屈曲角度を小さく。鋭角は荷重増に注意。
4|リギング(降ろし)
• トップダウン:先端から小分けし、リギングロープ+デバイスで制御降下。タグラインでスイング抑制。
• 受け木/ヒンジ伐倒:ツルを残して方向制御。楔でサポート。反対引きは荷重経路を地上員と共有。
• スリット/ステップカット:反動・裂けを防ぐ。切る前に逃げ道、足場の安定を確認。
5|救助計画(必携)
• セルフ/相互救助:宙吊りから10分以内を目標。ナイフ携行、ロープ切断時の合図を事前合意。
• 情報:最寄病院・住所・進入路・Uターンスペースを地図化。救急車誘導役を割り当て。
6|高所作業車との使い分け
• 設置スペース/地耐力/上空障害で判断。クローラ式は不整地◎。届かない/干渉多い→クライミングへ。
7|伐採後の整理と近隣配慮
• チップ化で減容、玉切りして搬出。根株は掘削+根切りかスタンプグラインダ。
• 清掃:来た時よりきれいに。粉塵/騒音/飛散の苦情は事前周知+即時対応。
8|倫理・季節配慮
• 営巣期(野鳥)・コウモリの生息確認。繁殖期は回避/縮小。
• 開花/結実期は最小限。記録写真を残し、住民へ説明。
9|ケース:傾いたカシ 8m、建物・電線近接
課題:片冠で重心偏り。処方:反対側に仮アンカー、上部から小分け、タグライン併用でスイング抑制。結果:無事故・無損傷で撤去、根元は切り株ベンチに再活用。
まとめ:高所は“段取りの競技”。診断→装備→合図→降ろし→救助をテンプレ化すれば、技術差よりルール遵守が安全を生みます。次回は芝生の施工と更新管理へ。
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皆さんこんにちは!
有限会社西村造園、更新担当の中西です。
目的が先、ハサミは後。 剪定は“減らす作業”ではなく“育てる設計”。頂芽優勢・オーキシン/サイトカイニンのバランス・CODIT(防御層形成)など生理に沿って切れば、翌年の姿と病気リスクが変わります。ここでは住宅庭の常緑/落葉/花木/果樹をカバーしつつ、失敗あるある→回避策まで実務粒度で解説します✂️。
1|“なぜ切るのか”を先に決める(4目的)
1) 安全:建物/電線/人への接触、折損リスクを減らす。 2) 健康:徒長・込み合いを解いて光/風を通し、病害虫を予防。 3) 美観:樹種ごとの自然樹形を引き出し、太枝の連発を避ける。 4) 機能:採光・視線カット・果実量・通行確保。→ 目的に応じて間引き(Thinning)>切り戻し(Heading)の比率を設計。
2|切る位置と角度:枝のえりを残す
• ブランチカラー(枝のえり)とブランチバークリッジを残して付け根近くで切る。フラッシュカット(平滑切り)禁止。CODITが働けず逆に腐朽が進む⚠️。
• 太枝は三段切り:下切り→上切りで荷重を抜き→残ったコブをえりを残して本切り。裂け・皮めくれを防ぎます。
• 切り口はわずかに斜めで水が溜まらない角度に。癒合組織の橋渡しを助ける。
3|時期の原則(温暖地目安)
• 落葉樹:休眠期(12–2月)に骨格形成。花芽をもつ花木は花後に軽剪定。モミジは真夏/厳冬の強剪定×。
• 常緑樹:春と秋に分散。高温期/寒波直前は避ける。ツバキ系は花後に整える。
• 新枝咲き/旧枝咲きの区別:アジサイ(旧枝:花後)/ムクゲ(新枝:冬〜早春)。花芽位置を見てから切る。
• 果樹:結果母枝の更新計画を図で管理。柑橘は夏秋の徒長抑え+冬の骨格、ブルーベリーは古枝抜き中心。
4|若木・成木・老木の設計
• 若木:3〜5本の主枝構成に早期誘導。競合枝・内向枝は弱いうちに除去。
• 成木:内向/交差/立ち枝を優先的に“間引き”。光の井戸(樹冠内の採光窓)を作る。
• 老木:一気の強剪定は×。3年計画で少しずつ更新。空洞・腐朽を打診・観察し、傷口保護は過度に塗らない(水分閉じ込め回避)。
5|樹形別のコツ
• 自然樹形:間引き>切り戻し。切り戻し多用で球形トピアリー化しがちに注意。
• 生垣:台形断面(上すぼまり)で下葉まで日照確保。刈込はよく研いだ刃で1回の切断で繊維を断つ。
• 株立ち:外周の乱れを整え株元に光。交差株は地際で抜く。
• 花木:花後の徒長を“根元から”抜く。途中で切ると“箒状”に。
6|道具・安全・衛生
• 道具:剪定鋏、剪定ノコ、長柄、高枝鋏、脚立、手甲、保護メガネ。ハーネス/ヘルメットは高所作業で必須。
• 研ぎ:鋏は刃裏を当てない片刃研ぎ。ノコはピッチを樹種/太さに合わせる。
• 衛生:病気樹の後はアルコール/次亜で刃物消毒。切り口を触って病原を持ち歩かない。
7|“失敗あるある”→処方
• 強剪定で徒長の嵐:間引き中心に切り替え、先端の勢いを弱い側枝へバトン。
• 同じ高さで揃えた生垣:上面の光不足で枯れこみ→台形断面+更新剪定。
• 切る位置が遠い:残った“杭”が枯れ込み→腐朽。えりギリで。
• 切り詰めすぎ:樹勢バランス崩壊。一季1/3までを目安に。
8|一年の運用テンプレ(例)
• 冬:骨格剪定(落葉)/軽整形(常緑)/道具整備。
• 春:芽吹き前の微調整/弱剪定/病害の初発チェック。
• 夏:徒長ピンチ/深灌水/直射・乾燥対策。
• 秋:更新剪定/透かし/落葉対策/追肥。
9|ケーススタディ:アオダモ(株立ち)2.5m
課題:二階窓にかかり眺望阻害、風が抜けずうどんこ病。 処方:主幹は触らず副幹2本の上部を間引き、内向枝・交差を外す。光の井戸を作り風の通りを確保。翌年は徒長を弱い枝へバトン。結果:窓景回復、病害減、樹形自然。
まとめ:剪定は“翌年の光合成を設計”する行為。目的→位置→角度→時期の順で決め、間引き主体で“切った後に増える手間”を抑えましょう。次回は高木剪定・特殊伐採の安全と段取りへ。
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